牛ホルモンの魅力を肉屋が料理例もご紹介!:ダイエットに手軽な食材だった!?

「バラエティミート」は、ホルモン(内臓肉)ファンシーミートとも呼ばれます。
栄養価が非常に高く、世界中で歴史的に長く親しまれている部位です。
ホルモンについて親しみを持ってもらうため、
栄養面、世界での食文化、部位別の召し上がり方をまとめました。


部位ごとに多くの異なる栄養素を多く含み、健康維持に役立つ成分が豊富です。

ホルモンを食べるメリットは以下の3点です。
①栄養バランスの向上
内臓肉には、赤身肉や他の食材では補いにくい栄養素が豊富に含まれており、
特に疲労回復や貧血対策に最適です。ビタミンAやB群は代謝を促進し、体の調子を整えます。

②美容効果
コラーゲンを多く含む部位(テール、小腸など)は肌の保湿や弾力を保つのに役立ち、
アンチエイジングにも効果的です。以下とくに豊富な栄養素です。
・タンパク質
筋肉や肌の健康を支える必須栄養素。特にハツやレバーに豊富です。
・ビタミン類
レバーにはビタミンA、B12、鉄が豊富で、貧血予防や免疫力向上に効果的です。
・ミネラル
鉄や亜鉛、セレンが多く、特に頬肉やミノは栄養価の高い部位です。
・コラーゲン
テールやギアラにはコラーゲンが豊富で、美肌や関節の健康をサポートします。

③低カロリー高タンパク
一部のホルモン(ミノやハツ)は脂肪が少なく、ダイエット中の栄養補給に向いています。

 

ホルモンは栄養豊富で美味しい一方、以下の3点に注意が必要です。

レバーや小腸はコレステロールが多いため、摂りすぎには注意が必要です。適量を心がけましょう。
内臓肉は鮮度が命。臭みや劣化を防ぐために、信頼できるお店でご購入ください。
また傷みやすいため、購入後は早めに召し上がること、
しっかりと下処理し、十分に火を通してから食べることを推奨します。


また世界のホルモン食文化と代表的な料理もまとめてみました。

🇯🇵日本
焼肉ホルモン(味噌だれ、塩だれで焼く)、もつ鍋(九州発祥で醤油や味噌ベースのスープが主流)。
レバー刺しは衛生面の規制が厳しくなった現在も、茹でた「レバーの湯引き」が親しまれています。

🇫🇷フランス
リードヴォーのソテー若牛の胸腺を使ったクリーミーな高級料理は
バターやクリームで風味豊かに仕上げます。
牛の胃袋をトマトや香味野菜と煮込んだトリップ・ア・ラ・モードが有名。

🇮🇹イタリア
パンやパスタと合わせて食べます。
トマト煮込み牛のハチノスをトマトソースでじっくり煮込むトリッパ、
フィレンツェのストリートフードである牛の胃袋をパンに挟んで食べるランプレドットなどがあります。

🇰🇷韓国
コプチャンジョンゴル小腸を辛味スープで煮込んだ鍋料理。
野菜や春雨を加え、ピリ辛でスタミナ満点。
ソルロンタンという牛の骨や内臓を長時間煮込んで作る
白濁スープは滋味深い味わいが特徴です。

🇨🇳中国
毛肚火鍋(マオドゥホットポット)牛の胃袋を具材にした火鍋。
香辛料をたっぷり使ったスープが特徴です。
爆肚(バオドゥ)羊や牛の胃袋を茹でて、香味ソースで和えた北京の名物があります。

🇺🇸アメリカ
牛のテールを使った濃厚なオックステールスープは家庭料理として、
南部ではスパイスを効かせて煮込むスタイルが一般的です。

🌏中東
ケバブ牛や羊の内臓肉をスパイスでマリネし、炭火で焼いたもの。
ハツやレバーが使用されることが多いです。
イラクやイランなどで食べられる伝統料理には
パチャという羊の頭や内臓を煮込んだものがあります。


代表的なバラエティミートについて、調理のポイント、具体的なおすすめ料理を詳しくご紹介します!

部位名(英語表記) 特徴 地域ごとの呼び名 下処理や火加減のポイント おすすめ料理
頬肉
(Beef Cheek)
煮込むとトロトロ、焼くと弾力が楽しめる部位。肉の旨味が濃厚。 ほほ肉(全国共通)ツラミ(関西) 筋を取り除いてから、低温でじっくり煮込むか、焼く場合は短時間でさっと火を通す。 赤ワイン煮込み、醤油ベースの煮込み
タン
(Beef Tongue)
弾力とジューシーさがあり、焼肉の定番。厚切りでも薄切りでも楽しめる。 全国共通 皮を剥ぎ、筋を除去。焼く場合は強火で短時間。煮込みの場合は時間をかけて柔らかくする。 塩焼きタン、味噌煮込み、たっぷりネギのタンしゃぶ
レバー
(Liver)
鉄分が豊富で濃厚な味わい。新鮮なものほど臭みが少なく、滑らかな食感が楽しめる。 全国共通 牛乳や塩水で浸して臭みを取る。焼きすぎると硬くなるので、短時間で火を通す。 ニラと卵のレバニラ炒め、スパイシー焼きレバー
コリコリ
(Windpipe)
軟骨部分で、コリコリした独特の歯ごたえが特徴。 気管(全国共通)、ヤゲン(関西) 表面を丁寧に洗浄し、薄切りにしてから高温でさっと焼く。 塩焼き、柚子胡椒とポン酢の炒め
リードヴォー
(Sweetbread)
若牛の胸腺で、柔らかくクリーミーな高級部位。 全国共通 薄皮を剥がして湯通しし、下処理をした後に焼く、揚げるなどで調理。 バターソテー、クリーム煮、パイ包み焼き
ハツ
(Heart)
臓器の中でもクセが少なく、弾力のある歯ごたえが楽しめる部位。 全国共通、ココロ(東北) 血管を取り除き、厚切りの場合はしっかり焼き目をつける。薄切りは短時間でさっと焼く。 ガーリック焼きハツ、バジルソース炒め
ハラミ
(Outside Skirt)
赤身の旨味と脂のバランスが良い部位。横隔膜に属し、焼肉の人気メニュー。 全国共通、サガリ(北海道・東北) 筋を取り除き、軽く塩を振って焼く。味噌ダレやニンニク醤油でマリネするとさらに柔らかくなる。 味噌ダレ焼肉、ペッパーステーキ
サガリ
(Hanging Tender)
ハラミに近い横隔膜の肋骨側の部位。柔らかくヘルシー。 全国共通、ゲタカルビ(九州) 強火で短時間で焼き、ミディアムレアに仕上げる。焼きすぎると硬くなるため注意。 にんにく醤油グリル、レモン塩焼き
ミノ
(Rumen)
牛の第一胃で、プリプリした食感が特徴。脂肪が少なくヘルシー。 全国共通、ウルテ(東海) 塩もみしてよく洗浄し、茹でてから焼くと柔らかく仕上がる。 焼肉ミノ、にんにく風味のホイル焼き
ハチノス
(Honeycomb Tripe)
牛の第二胃。蜂の巣のような見た目で柔らかく煮込み料理に最適。 全国共通、シチリア(九州)

塩と酢で洗浄し、長時間煮込むことでクセを抑えつつ柔らかく仕上げる。       

トリッパのトマト煮込み、ピリ辛スープ
センマイ
(Omasum)
牛の第三胃で、シャキシャキとした食感が特徴的。 全国共通、ハチカワ(中部) 酢や塩でしっかり下処理し、茹でる。冷菜として使われることが多い。 酢味噌和え、ピリ辛ダレのセンマイ刺し
ギアラ
(Abomasum)
牛の第四胃。弾力があり、煮込むとトロリとした食感になる。 全国共通、赤セン(関西・中部) 塩で洗い、茹でてアクを取った後にじっくり煮込む。 味噌煮込みホルモン、醤油ベースの煮込み
小腸
(Small Intestine)
脂の甘みが楽しめるジューシーな部位。焼くと外はカリッと、中はとろりと仕上がる。 全国共通、シロ(関東)、フク(九州) 丁寧に洗浄し、強火で焼くことで余分な脂を落としつつ旨味を閉じ込める。 味噌ダレホルモン焼き、コチュジャン炒め
丸腸
(Fatty Small Intestine)
小腸の脂が特に多い部位。ぷりぷりの食感と濃厚な味わいが特徴。 全国共通、コプチャン(九州・関西 焼く前に余分な脂を取り除き、中火でじっくり脂を溶かすように焼き上げる。 タレ漬け焼肉、焦がしニンニクのグリル
シマチョウ
(Large Intestine)
大腸部分。小腸に比べてしっかりとした弾力があり、噛むほどに旨味が広がる。 全国共通、テッチャン(関西) 塩や酢で丁寧に洗い、じっくり煮込むか焼くことで柔らかく仕上がる 旨辛ホルモン炒め、炭火焼肉
テール
(Oxtail)
牛の尾部分。コラーゲンが豊富で、濃厚なスープが取れる。 全国共通 ブロックごと茹でてアクを取る。長時間煮込むことでゼラチン質が溶け出し、スープに深い旨味を加える。 テールスープ、コムタンスープ、赤ワイン煮込み

バラエティミートは部位ごとに異なる食感や風味を持ち、
地域ごとの呼び名や調理法を知ることでさらに楽しみが広がります。
普段はなかなか手を伸ばしづらい部位でも、正しい下処理や調理法を取り入れることで絶品料理が完成します。
MEAT PLUSでは新鮮なバラエティミートを多数取り揃えております。
「挑戦してみたいけど量が。。。」といったご相談もお気軽にお寄せください。
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